昨今、働き方改革の推進をきっかけとして、副業を始める人が増えてきています。中でも、栄養士の方は専門的な知識を活かして、さまざまな場面で活躍することができます。
また、収入を増やすだけでなく、スキルアップや起業準備などにも役立つことでしょう。そこで今回は、栄養士の資格を活かして働ける副業について、くわしく解説していきます。転職するか、それとも副業するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
栄養士におすすめの副業
栄養士の知識と経験を活かせる副業を4つ紹介します。
栄養メディアでの執筆・監修
栄養士の副業として、まず挙げられるのが栄養メディアにおける執筆や監修です。Webや雑誌、新聞など、媒体を問わず活躍の場が広がっています。
料理やダイエットなどに関する情報メディアを運営する際には、栄養や食事に関する専門知識が必要とされます。栄養士の資格を持っている方であれば、これらのメディアにおいて、確かな知識を基に執筆することができます。
また、Webメディアによっては、記事ごとに監修者を立てているところもあります。栄養士として記事を監修し、専門知識が必要とされる部分を加筆したり、誤った情報を直したりといった働き方も可能です。
記事の執筆や監修は、インターネットにつながる環境とPCがあれば、すぐに取り組むことができます。場所を選ばないので、在宅でも問題なく働けるでしょう。
栄養計算
レシピや食材のカロリー、栄養素、塩分などを管理する仕事も管理士の方におすすめです。具体的には、カロリー計算のアプリ開発会社やレシピサイトの運営会社などで人材を募集しています。
「1件あたり〇百円~」のように成果に対して報酬が支払われる成果報酬型を採用していることが多いので、すきま時間を使って働くことができます。「平日の夜に10件ずつ計算する」といったように、柔軟に対応できます。
栄養の計算自体は、栄養価計算ソフトや食品成分データベースなどを使って簡単に計算することができます。最近は無料ソフトの中にも十分なクオリティが備わっているので、慣れれば短時間でサクサク進められることでしょう。数字の計算が苦にならない方やコツコツと作業するのが得意な方には、とくに向いています。
レシピ・献立作成
特定のテーマに沿ったレシピ・献立の作成も栄養士におすすめの副業です。たとえば、ダイエットしている方向けレシピや便秘解消に役立つ献立など、案件ごとに求められる設定に合わせて考案します。
また、食品や調理器具メーカーがPRのために、新規レシピの作成を依頼しているケースもあります。幅広い案件の中から選べるので、専門知識を活かして活躍できるでしょう。
料理代行
栄養士の副業として、料理代行サービスもおすすめです。料理代行サービスとは、依頼者の家に訪問し、意向に沿って調理を行うサービスのことです。
栄養士が料理代行の副業をする場合、作り置きなどの調理がメインとなります。食材の買い出しから任せられることもあれば、冷蔵庫の中にある食材を使って献立を考えて調理することもあります。
栄養とおいしさを両立した食事を提供することで、依頼者から喜んでもらえます。また、依頼者の家にある食材や調味料を使って、栄養バランスの整った献立を組み立てる作業は、栄養士ならではのスキルが活かせることでしょう。
気に入ってもらえれば、定期的に依頼してもらえることもあります。リピーターを多く確保することで、安定した収入が見込めます。
栄養士の資格が活かせる副業の探し方
上記の通り、栄養士の資格が活かせる副業は、多岐にわたります。本項目では、実際にこれらの仕事の探し方を紹介します。
クラウドソーシングサービスで探す
栄養士が副業を探す方法としては、まずクラウドソーシングサービスが挙げられます。クラウドソーシングサイトでは、ライティングをはじめとして、さまざまな副業案件を取り扱っています。
サイト内で「栄養士」と入力して検索してみると、栄養士資格を活かせる副業が多く見つかります。また、あえて栄養士とは関係のない副業を見つけて、スキルアップを目指すのも一つの手です。
幅広い案件をこなすことで、働き方の幅が広がることでしょう。
求人サイトで探す
一般的な求人サイトでも副業を探すことができます。ただし、求人サイトに掲載されている求人は、正社員や契約社員として募集していることが多いため、副業として探す場合には「業務委託」案件で絞り込むことをおすすめします。
また「在宅ワーク」の求人情報を探すのも一つの手です。検索キーワードを工夫することで、本業と両立できる仕事が見つかることでしょう。
希望する仕事がなかなか見つからない場合には、求人サイトのキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
栄養士が副業をする際のポイント
栄養士が副業する際の注意点を解説します。
特定保健指導業務はできない
栄養士の方は、特定保健指導業務を担うことはできません。特定保健指導業務とは、健康診断の結果を基に、対象者の生活習慣改善をサポートする仕事です。生活習慣を改善するために目標を立てたり、電話やメッセージなどで定期的に相談を受けたり、評価を行ったりします。
これらの業務に副業として取り組むこと自体は可能ですが、携わることができるのは「医師・保健師・栄養管理士」のみと定められています。現在、栄養士として働いており、特定保健指導業務に関心を持っている方は、まず管理栄養士の資格を取得する必要があります。
就業規則を確認する
副業を検討している方は、案件を探す前に現在勤めている会社や施設などの就業規則を確認しておきましょう。会社・施設によっては、就業規則によって副業が制限されていることがあります。
また、禁止ではなかったとしても、許可や届け出を求められるケースもあります。副業が認められている場合でも、規則に反していないかどうか今一度確認しておきましょう。
なかには「会社にばれないだろう」と独断で副業を始めてしまう方もいますが、あまりおすすめできません。なぜなら、副業によって住民税が増え、勤めている会社や施設にばれてしまう可能性が高いからです。
副業が禁止されているにもかかわらず、案件を受けてしまった場合には、何かしらのペナルティを受けてしまうかもしれません。本業に支障をきたしてしまうと元も子もないので、副業を始める前に就業規則を確認しておきましょう。
確定申告を行う
副業によって年間20万円以上の所得を得た場合、確定申告をする必要があります。たとえ、副業での収入が20万円に満たない場合でも、医療控除やふるさと納税などを受ける場合には申告が必要です。
副業をしているにもかかわらず確定申告を行わなかった場合、無申告加算税や延滞税などが請求されます。余分に税金を支払う事態になりかねません。
なお、年末調整を行っている場合には、スマートフォンから確定申告することができます。確定申告をしないと、せっかく稼いだ収入から余分な税金が引かれてしまうので、忘れずに行いましょう。
まとめ
今回は、栄養士の資格を活かして働ける副業について、解説しました。近年、働き方改革の推進によって、副業を始める方が増えてきています。
とくに、栄養士の資格を持っている方は、専門知識と経験を活かしてさまざまな場面で活躍することができます。たとえば、文章作成が得意な方は、栄養指導やダイエットなどに関する記事制作がおすすめです。
そのほかにも、栄養計算やレシピ・献立作成などの案件も栄養士ならではの副業と言えるでしょう。時間や場所を選ばずに作業を進められるので、すきま時間を使って収入アップが見込めます。なお、副業を行う場合には、確定申告を忘れないように注意しましょう。