栄養士として働いているけど、厨房業務ばかりで体力的に限界を感じていたり、職場の人間関係が悪かったりするなど、さまざまな理由で転職を考えている、という方も多いのではないでしょうか。職場によって待遇や仕事内容は異なります。本記事では、栄養士の転職について、注意点などと一緒に詳しく紹介しましょう。
管理栄養士・栄養士が転職を考える主な理由とその背景
管理栄養士と栄養士が転職を考える主な理由には、仕事量の多さや職場の人間関係が良くないなどが挙げられます。それぞれの理由を解説しましょう。
仕事量が多い
管理栄養士や栄養士の人手不足が深刻化している職場が多くあります。そのため、過重労働になりがちです。献立作成からメニューの開発、調理、栄養管理、発注、提供までの幅広い業務を担うため、ひとりにかかる負担が大きく離職率も高い傾向があります。
給与が低い
仕事量が多いわりに給与が低いと感じている方も少なくありません。看護師や介護福祉士、調理師などの国家資格取得者と比較して、管理栄養士・栄養士は給与が低い傾向があります。給与への不満は、モチベーションの低下につながるのです。
職場の人間関係がよくない
女性が多い職場は、人間関係のトラブルが発生しやすいといわれています。管理栄養士や栄養士は人をまとめる役割があるため、人間関係のストレスを抱えやすくなるのです。
体力的な負担が大きい
管理栄養士や栄養士が勤務する職場の勤務形態は、定時制とシフト制のどちらかです。病院や高齢者施設のほとんどはシフト制。複数のスタッフと交代しながら勤務します。夜勤もあり生活が不規則になりがちなため、ストレスを抱える原因になるのです。
人手不足や仕事量の多さに加えて現場での力仕事もあるため、体力的に限界を感じて退職を決意する方も少なくありません。
管理栄養士・栄養士の転職先
管理栄養士や栄養士は、幅広い分野から必要とされています。食と栄養のプロフェッショナルとして活躍できる転職先の一例を紹介しましょう。
病院などの医療機関
病院などの医療機関では、病院給食の献立作成や栄養管理、食事指導、栄養相談など、患者一人ひとりの状況に応じて栄養面でサポートします。食を通じて医療に貢献できるため、やりがいを感じられるでしょう。医療機関での勤務は、給与が高い傾向があります。
保育園や学校などの教育機関
保育園や学校、給食センターなどの教育機関では、栄養バランスを考慮した食材選定や献立作成、衛生管理などの業務を担います。子どもへの食育指導やアレルギー対応などは、一人ひとりに応じた配慮が必要です。
介護施設
介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、障害者施設などでは、利用者の栄養管理、栄養指導、献立作成などの役割があるのです。食事を取りにくい方には、流動食や刻み食など少量でも充分な栄養が取れるよう調理方法を工夫します。介護施設での業務には、医師や介護職員との連携が必要です。
行政施設
保健所や保健センターなどで行政栄養士として働く選択肢もあります。健康づくりイベントの企画・運営や栄養相談会の実施など、地域住民の健康課題の解決に貢献できるのです。
食品メーカー
食品メーカーの求人募集も多数あります。管理栄養士と栄養士としてのスキル・技術を活かして、品質管理部門や開発部門での勤務が可能です。
管理栄養士と栄養士は、健康ブームにより、食産業のメニュー開発に携わるケースが増加しています。栄養素のチェックやカロリー計算など、栄養の専門家として活躍できるでしょう。
スポーツジム
スポーツジムでは、利用者向けの栄養指導やレシピ提案など、栄養の専門知識を活かせます。筋肉強化やダイエット、健康増進、美容など、利用者の目的はさまざま。トレーナーと連携しながら、利用者の目的に合った食事プランを提案します。
転職時の注意点やコツ
こちらでは、転職時の注意点とコツについて解説します。
ネガティブな発言は控える
以前勤めていた会社を悪くいったり、業務への不満だったりするなど、ネガティブな発言は避けましょう。転職理由と志望動機は、必ずといっていいほど面接で聞かれる質問です。前向きな姿勢や熱意をアピールすることが大切なので、管理栄養士・栄養士としてつちかったスキルや経験を活かして、どのように貢献できるのかを積極的にアピールしましょう。
求人情報を集める
早めに求人情報を集めることで、希望の求人に出会える可能性が高まります。転職サイトに登録しておくと、自分の希望にマッチした最新求人情報を受け取れるのです。仕事内容や職場環境、給与、休日出勤・残業の有無などをしっかり確認しましょう。
まとめ
この記事では、管理栄養士・栄養士の転職についてお伝えしました。管理栄養士や栄養士は、食と栄養のプロフェッショナルとして、医療分野や教育分野などの幅広い分野で活躍できます。しかし、管理栄養士や栄養士は、仕事量が多いわりに給与が低かったり、体力的に厳しかったりするなど、さまざまな理由で転職する方も少なくありません。
転職時には、ネガティブな発言を控えることや早めに求人情報を集めるなどのポイントを押さえると、転職活動を有利に進められます。現在の職場環境で悩みを抱えている管理栄養士・栄養士の方は、求人情報の収集から始めてみてはいかがでしょうか。